ビール造りのキットが市販されており、これまで10数回ビールを造った。1回に大瓶30本できる。
ラガービールを初めて造ったとき、知り合いの発酵学の専門家(さきいかチーズを開発した人)に試飲してもらったら、「おーっ、ヨーロッパタイプですね。ベリーグッです」とお墨付きをもらった。
キットには説明書が付いており、「××××」を入れたらアルコール濃度が上がりますので「入れないでください」とある。「××××」は砂糖である。ご丁寧に「1キロ」と分量まで書いてある。
で、この「××××」1キロを入れると、4~5%の本もののビールができるのである。
キットは山口県の片田舎でカヌー・ビルダーとして活躍している洲澤育範という人から買った。面白い人間で「エル・コヨーテ」という雑貨屋も営んでいる。この人からはいろんな遊びと生き方を教えてもらった。
自家醸造の無許可ビールについて、ある時、国税庁に問い合わせた。「市販のビール醸造キット知ってますか?」「知ってます」「問題ないんですか?」「あれは1%以内のアルコールですから、問題ありません」「でも、ほとんどの人はあれで4~5%のビールを造っているんじゃ?」「仮定の質問には答えられません」「将来、ビール造りが規制緩和される可能性は?」「ありません」。
最初にビール醸造に成功した時、わが輩は「規制緩和先取りビール」と名付けたものだ。その後、地ビールが各地でブームになったが、あれは許可の範囲が緩和されただけで、本当の規制緩和はまだまだである。
これは初代自家醸造ビールのラベル。